中村健一 公認会計士・税理士事務所

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各国相続税計算方法の違い

 1.各国の相続税計算方法
 実は相続税がない国も多いのですが、相続税がある国でも、大きく分けて
①遺産課税方式と②遺産取得課税方式という二つの課税方法があります。
被相続人の遺産そのものに焦点をあてるか、各相続人等が引き継ぐ各遺産に
焦点をあてるかの計算方法の違いです。
①遺産課税方式
 この方式は、相続人の数や遺産分割の内容に関係なく、亡くなった人(被
相続人)の遺産に焦点を当て、遺産そのものに課税するシンプルな方式です。
 具体的計算方法としては、まず遺産全体に対して相続税を課し、課税した後の
残った遺産を共同相続人で分割します。この方式ですと、相続人の間でどのような
割合で遺産の分割を行っても、被相続の遺産に対して課税される相続税額が
左右されるようなことがありません。
この結果、「課税の公平」が保たれるといわれ、アメリカやイギリスでは、この方式を採用しています。
②遺産取得課税方式
 この方式は、各相続人等が引き継ぐ遺産に焦点を当てた、相続によって財産を
取得した相続人に対して課税する方式です。
 具体的計算方法としては、まず遺産分割を行って、相続人ごとが実際に
取得した財産に対して各相続人が相続税を支払います。相続税においては、
超過累進税率が適用されるため、相続した財産の額が高ければ高いほど、
相続税の額は高くなります。
つまり、たくさん財産をもらった人は税率の高い税金を支払う、少ない財産しか
もらわなかった人は税率も低く「各相続人の公平」が保たれ、ドイツやフランスでは
この方式を採用しています。

2.日本の相続税計算方法
 日本では、①遺産取得課税方式と②遺産課税方式を併用する方式である、
③法定相続分課税方式を採用しています。
 具体的計算方法としては、まず遺産分割が法定相続割合でなされたと仮定して
相続税総額を計算します。その後、各相続人が実際に取得した財産に比例して、
各相続人が相続税総額を按分して支払います。つまり、遺産分割の方法により
相続総額の差が出ないようにしているわけです。


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